終活の第一歩を考えてみました
改めて「終活」の短い歴史を振り返る
「終活」ということばは、2010年の新語・流行語大賞にノミネートされた、生まれて10年を過ぎたばかりの新語です。
人生の終わりに備える活動、つまり、自分が他界する前に、身の回りの整理をして、他界時に残していくものの詳細や対処の指示、希望などを、わかりやすい形にしておくこと。
遺書という形で財産分与の指示を残すという習慣は常にあったようですが、分与する財産の有る無しに関わらず、自分自身がこの世を去るにあたって、自分らしく備えておく、というか、自分らしさを残していく、という印象も伺えます。
「立つ鳥跡を濁さず」ということでしょうか。
さて、この終活という言葉が生まれた経緯ですが、2010年は、およそ日本の総人口がピークに達し、減少を始めた時期だそうです。第二次世界大戦終戦直後(1945年)に約5%程度であった高齢者が、少子化高齢化の影響で、2035年ころには、33%ほどになると予測されています。
ということは、今、高齢に達した人だけでなく、今後、すべての人が、老後に関して、自分たちで計画し備えておく必要があるということです。面倒を見てくれる身内が減って、施設を利用するにも費用がかかります。そういったことを心配せずにいられるように、今から備えておきましょう、ということなんですね。
終活を手助けするための書籍やHP、専門家やビジネスなど、その需要は年々上昇しているようです。
自分の回りを見ると、確かに、中高年の知人で、一人暮らし、子供がいない、という方がたくさんいらっしゃいますし、30代の人達の間でも、結婚はしない、と宣言している人が多くいます。
核家族どころか、単身族が増えているように見えます。
一方で、たとえばアメリカでは、働き続けることを優先して、女性が結婚や出産を遅らせ始めた時代がありましたが、その頃の女性の中には、その後、高齢出産という形で親になる選択をした人も多くいました。
この先、人々の考え方がどう変わっていくのか、家族構成や生活のスタイルそのものがどのようになっていくのかは未知の部分が大きいのですが、どちらにしても、自分の人生は、最後まで自分の意志で判断し、計画しておきたいという考え方は定着してきたようです。
終活に欠かせない課題:自分自身の他界後の生活設計
霊魂学を伝えたいという立場からも、終活という話題はとっても大切です。他界後の生活設計はすべての人にとって、切っても切れない重要課題だからです。
一般に言われている終活を、むりやり海外旅行に例えてみると、
- パスポートやビサの手配
- チケットの予約や購入
- 荷造りリスト
霊魂学的終活の最優先事項はというと、
- 行き先の下調べ
- 何を観て何をするか
- 困らないための対策
といったところでしょうか(かなり無理矢理ですね)
霊魂学的終活が一般の終活と違うところは、この世に残していくものについてではなく、他界後の自分自身の身の振り方を考え、備えるというところです。
希望通りの葬儀や埋葬が行われたとしても、当の本人が行く先のことを知らないままでは、本末転倒というものです。
熱心に終活をされる方は、思いやりがあって、冷静で、自己管理力の高い方だと思います。
そうした方々が、終活の最重要ポイントである、他界後の計画をしない、あるいは、確認しておかない、というのは、驚きでもあります。
細心の注意を払い、現実的な対策を練るために、ぜひ早いうちに、霊魂学の扉を叩いてください。
(注)この記事は、水波霊魂学で学んだことをもとに、私(さんば)の理解の範囲内で作成したものであり、契山館の公式見解を掲載したものではありません。