死亡を自覚できずに地上を彷徨う霊魂はいるの?
霊魂を信じる人の中には、「自分の死を自覚できずに、地上をさまよっている魂に対しては、霊能者等が死亡の事実を説明して、ちゃんとあの世に行くように諭す事が必要。」と思っておられる方もいるようです。
ですが、果たしてそうでかしょう?
死の自覚がない死者の霊魂なんて、いるのでしょうか?
そもそも霊的な意味での死は、「肉体」と「幽体」を結びつけている「間気」が全て体から抜け出て、「幽体」が「肉体」に戻ることができない状態になったことを意味します。そして、「幽体」だけになった状態で、「幽質界」すなわち「死後の世界」に行きます。
つまり、本人の死の自覚の有無によって、あの世に行ったり 、地上に止まったりするわけではなく、法則により、幽体に適合する世界に自然に向かうのです。
ですから、死後に目が覚めた時には、既に「死後の世界」にいるわけです。
目覚めた直後には、自分が既に他界したという事は自覚しにくいかもしれません。
例えば、病院で意識が不明になったまま他界した場合、死の直前の記憶がありませんから、なぜ自分が病院以外の場所にいるのか、不思議に思うかもしれません。
でも、今まで苦しかった体の状態が急に楽になり、歩いたり走ったりすることができる事に気づくと、自分が死んだ事が分かっていくようです。
それに、死後の世界では、お腹も空かなければ、眠くもなりませんし、体を動かしても疲れませんから、こうした自分の体の変化からも、死んだ事を認識して受け入れていくようです。
このように、死後の世界に行ってから自分の死を自覚するのですから、死を自覚したからあの世に行くというのは、順序が逆のようです。
それ故、地上をうろついている霊魂に対して、「あなたは既に他界したのだから、ちゃんと死後の世界に行きなさい。」等と説教するまでもありません。
あの世の下の方の世界から地上に来ている霊魂は、あの世が辛いから地上に逃れてきているのです。
あの世の下の方に比べれば、地上はパラダイスのようなものですから、地上の人間に説教された位で、あの世に帰るはずはありません。
それほど、下の世界は辛いという事ですから、生きている間に、どうしたら下の世界に行かないようにするか、学んでおく必要があると思います。
(注)この記事は、私(ドーン)の理解の範囲内で書いており、契山館の公式見解を掲載したものではありません。