こぼれ話:ハリー・ポッターと賢者の石(人気シリーズ第一作から20年)
シリーズ映画化の第一作、「ハリー・ポッターと賢者の石」が公開されたのが2001年の11月。
今年20周年を迎えるということで、2022年1月1日にスペシャルイベントが公開されるようです。
この作品、原作は1997年に出版されたJ.K.ローリングの児童向け長編小説、発売と同時に、大ヒットとなりました。
当時、まだ小学校の低学年だった知り合いの娘さんの部屋にその本が置いてあって、「そんな分厚い本読むの?」と尋ねたら、「すっごく面白いよ、大好き!」と言っていたのが印象的でした。
いや、そこまでではない・・・。
その後、2011年までの10年間に、シリーズとして7作の映画が公開されましたが、それぞれに話題作となっています。
不思議現象満載のこの映画、魔法魔術学校という舞台で新入り訓練生が繰り広げる夢とファンタジーあふれるストーリーに、子供達だけでなく、多くの大人たちも魅了されました。
さて、作品タイトルの「ハリー・ポッターと賢者の石」ですが、原作本のタイトルは、「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」、直訳すると「ハリー・ポッターと哲学者の石」。
ところが、このタイトルが、海を越えてアメリカに渡った時には、「Harry Potter and the Sorcerer’s Stone」に変更されていたんですね。
「Sorcerer」の直訳は「魔術師」、どちらかというと、ブラック・マジック(黒魔術・妖術)というニュアンスのほうが強い言葉です。
「Philosopher/哲学者」というと、気難しい表情のおじさんというイメージが強すぎて、子供達が本を手に取らないだろうと危惧した米出版社が、魔術や魔法というイメージが強い「Sorcerer」にしたいと要請し、J.K.ローリングの承諾を得て変更となったそうです。
わたし、そんなに固い感じかね?
一方で、日本語訳された「賢者」という言葉は、直訳すると「Sage」。
米訳の「Sorcerer」の意味とは程遠いので、オリジナルの「Philosopher」の訳語として選ばれたのでしょうが、こちらも、「哲学者」ではなく、「賢者」という言葉が採用されました。
Sage/賢者というと、哲学者ほど固い印象はなく、スマートな知恵があって、人々に適切最善なアドバイスをする物静かなリーダーという感じがします。
日本のマーケットにおいても、「ハリー・ポッターと哲学者の石」とするよりも、「ハリー・ポッターと賢者の石」とするほうが、イメージもリズムも、好印象だという判断だったのでしょう。
わしだって、賢者と呼ばれたことあるぞ
タイトルにもなる重要な言葉が、その目的や意図によって、かなり印象の違う言葉に訳されることがあるという例のひとつです。
「英語で霊魂学」に関しても同様だと思います。霊的なこと、霊魂のこと、スピリチュアルなこと、そういった分野は、かなり幅の広い解釈や印象がありそうです。
翻訳アプリが出力してくる、どちらかというと直訳された言葉だけではなく、原語である言葉が持つ歴史や背景といったものにも、細心の注意を払う必要があります。
そして何よりも、目的や意図をしっかりと確認しながら、言葉を超えた「X-ファクター」の出入力を心がけ、高級霊魂方の思いや力を感じ取ることができればと思います。 注)このページ、及び「英語で霊魂学」のコーナーは、当サイトの投稿者である「さんば」が、水波霊魂学で学んだことをもとに、個人の解釈と理解の範囲内で書き進めています。「契山館」の公式な見解ではありません。