科学と宗教の併存
宗教は霊的世界を、科学は物理的世界をというように、両者は考察対象を異にしています。
ですから、科学と宗教は決して対立するものではなく、一方の主張をもって他方を否定するのは誤りだと思われます。
例えば、聖書の記載に従い、人間は神の意思によって土から誕生したという主張がありますが、聖書はあくまで宗教上の教えが書かれているものであり、科学的文献を兼ねているものではありません。
動物の身体の形状的な変化という物理的次元の考察は、科学に任せるべきだと思われます。
それにも拘わらず、宗教上の教義をもって科学的な学説を否定するというのは、両者が異なる次元を対象としている事を無視し、無理やり宗教の観点から、科学的考察をねじ伏せようとしているように思えます。
進化論に間違いがあれば、科学自身がこれを正していくと思われます。
一方、科学に至上価値を見出すあまり、人間の霊的な側面を一切認めない考え方もあります。
人間が高度な知性を持っているのは、物質としての脳が進化した結果でり、肉体の死と共に全て消滅するというわけです。
思考も感情も全て脳の作用と考え、これとは別の霊的な意識の存在は認めないようです。
しかし、進化によってすぐれた頭脳を獲得したという事と、人間が霊的な生命体でもある事とは、相容れない事柄ではありません。
物理的次元では高度な知性を持つ生物であり、霊的次元では幽体の意識を持つ存在であると捉えても、何ら矛盾しません。
進化に、霊的存在の意思が関与したか否かも、科学では分からない問題なのですから、否定せずに宗教の分野に委ねるのが妥当ではないでしょうか。
そもそも、2つの世界は全く異なる世界ですから、一方によって他方が否定される関係にはなく、本来、対立などはあり得ないと思われます。
これを対立させているのは、人間の「思考」ではないでしょうか。
(注)この記事は、私(ドーン)の理解の範囲内で書いており、契山館の公式見解を掲載したものではありません。