画期的な脳外科手術で薬物中毒患者を救う!ブレイン・ペースメーカー
もう20年以上前のことになります。
哲学入門のクラスで、教授が生徒に次のような質問をしました。
「もし、脳内に何らかのセンサーのようなものを埋め込むことで、殺意や暴力的な欲求が事前に察知され制御される、そういうデバイスが出来たとして、みんなはそれをどう思う?
政府が、特定の犯罪歴を持つ人を対象にそういう処置を認可するとしたら賛成?反対?」
確か私は、「賛成」に手を挙げたと記憶しています。
暴力事件の加害者と被害者が同時に減少することは、社会的に有益だと思ったからです。
その時、クラスのほとんどは、「反対」に手を挙げました。
人権無視、というのがその理由でした。
さて、今朝のニュースで、あの時の教授の質問が現実味を帯びてきたと感じました。
それは、ウエスト・バージニア大学ですでに3件、重度の薬物依存症の患者に試験的に施されたという脳外科手術の報道です。
脳の奥深くに埋め込まれた電極がシグナルを発し、快楽を求めるドーパミンの分泌を調整することで、薬物中毒の患者が、その欲求を抑制することができるというもの。
脳に送られるシグナルは、前頭葉にも刺激を与え、決断力、判断力の改善にも効果があるそうです。
胸に埋め込まれたブレイン・ペースメーカーと呼ばれているこのデバイスの本体は、脳にシグナルを送るだけでなく、脳が発する様々なデータを収集して外部に送り返す役目も果たしているそうです。そうやって集められたデータが、今後の脳研究にどれほど貢献するかは言いつくせない、と関係者は話していました。(参考:米NBC today news)
今後、人間の脳を操作することで、病気だけでなく、犯罪も争いも失くしてしまおうという研究者が出現するのも時間の問題です。すでに研究が進められているかもしれません。
そして人類は、100%ピュアなAIと、AIもどきの人間が溢れる社会で、尚、霊的生命体として生きていかなければならないのです。
霊魂学に出会った今では、素直にそれをすごいことだとは言えません。
人類がみな平和に心地よく暮らしていくだけなら、わざわざ生まれてくる意味がなくなるのではないかと思うからです。
現代の人類が地上に生まれる理由は、地上でしか解決できないカルマを持っているからです。
もし人類が霊的なことを学び、霊的トレーニングによって霊的な部分をきちんと改善するのなら、その上で、平和な世界に暮らすのなら、それは理想郷と呼べるのかもしれません。
でも、本来の目的である霊的進歩が達成できないのなら、他のすべてがうまくいっているように見えても、それは生まれてくる価値がある世界だと言えるのでしょうか。
(注)この記事は、水波霊魂学で学んだことをもとに、私(さんば)の理解の範囲内で作成したものであり、契山館の公式見解を掲載したものではありません。